塩をかけると意外においしいものってありますよね。
お寿司や天ぷら、お豆腐などなど(異論もあるかと思いますが…)
今回の記事は「塩コーヒー」についてです。
「コーヒーに塩!? それはさすがにナシじゃないの!?」と思いますか?
私もそう思っていましたが…。思い切って試してみました!
塩コーヒーをカフェで飲んでみた。感想は…
とあるカフェで「塩コーヒー」を大々的にプッシュしているのを見つけ、「その組み合わせ、大丈夫なの…?」と思いつつ、ものすごく気になってオーダーしてみました!
こちらで提供されていたのは、ドミニカ産のコーヒーにイスラエルの死海の塩を入れて飲むというもの。
とっても明るくて感じのいい店員さんが説明をしてくれました。
はじめは普通に飲んでみて、その後、天然塩をほんの少しだけ(店員さんの説明はパール大くらいでした)入れてみると、味が変わるんですよ~、とのこと。
まず、このドミニカコーヒーが感動的でした♪
コクが強く濃厚さがありました。苦味の印象が強かったですが、グレープっぽい酸味も感じました。
落ち着いたひとときを味わいながら、なんだか塩を入れてしまうと後戻りできないのがもったいなく、半分くらい飲んでしまい…
けっこう飲んだことも考慮して、説明の半量くらいの塩を溶かしてみました。
うーん…
しょっぱい…
確かにまろやかになった感はあります。
ただ、なんかどうしても「いないはずの塩がいる」というような違和感があります。
慣れていないだけで、これが通好みの味なのか?
塩を入れすぎてしまったのか?
いろいろ考えても、ひとくち目に味わったときの感動は戻ってこなかったです…
すごく丁寧に説明していただいたので、お会計の際声をかけると、
「塩コーヒーはなかなか好みが分かれるところですが~」とのこと。
好みが分かれるんかいっ!
飲む前には言えないですよね…。
でも、本当にそもそものコーヒーがおいしくて、店員さんも感じがよく心地いいお店でした。
塩コーヒーはエチオピアでは伝統的
塩コーヒー、決してここ数年作られたネタ的な飲み物ではなく、実は伝統的なものなんです。
コーヒー発祥の地といわれるエチオピアには、コーヒーに塩を入れる文化があります。
エチオピアにはコーヒーセレモニーと呼ばれる、日本の茶道のような文化的習慣・おもてなしの儀式が存在します。
セレモニーではおしゃべりをしながら1時間~2時間かけて3杯のコーヒーを飲むのが正式な作法で、その際、塩を入れて味の変化を楽しむことも古くからあったそうです。
塩を入れるのは昔ながらの方法で、現在では砂糖を入れるのが一般的になり、乳やバターを入れたりもするということ。
コーヒーに塩を入れるとどうなる?化学的効果
実は、エチオピアでコーヒーに塩を入れるのは、化学的に理にかなっています。
それは、コーヒーの味に塩の抑制効果が働くから。
エチオピアのコーヒー(エチオピアモカ、モカシダモ、モカハラーなど)は酸味の強さが特徴的です。
そのうえコーヒーセレモニーで飲まれるのは、粉に挽いたコーヒー豆にお湯を注ぎ、上澄みだけを飲む…というというトルコ式の抽出法。
この方法では豆の特徴がストレートに出るため、酸味は特に強く感じられます。
ところで塩は、酸味に対する抑制効果をもっています。
抑制効果とは、二種類の味を混ぜ合わせたとき、一方または両方の味が弱められる現象のことで、相殺効果ともいいます。
塩焼きの魚にレモンをかけるとまろやかになる現象は、塩味に対してレモンの酸味の抑制効果が働いているから。
これと同じく、酸味の強いコーヒーに塩を入れると、塩味が相殺され、結果として味がまろやかに感じられることになります。
抑制効果は、二つの味の刺激が対等なときに感じやすいのだそうです。
つまり、ちょっとでも塩が多すぎると、しょっぱさの方が勝ってしまいますね…。
どうもあのカフェでは塩を入れすぎたような気がしています。
そして、エチオピアモカのような酸味の強いコーヒーを使うことがポイントですね。
まとめ
塩コーヒーについてまとめると、こんな感じです。
意外とおいしい!となるか、やっぱり塩は…となるか。
途中で入れてしまった塩は戻せないんですよね…。
どうせならエチオピアで使われている小さなデミタスカップで2杯、いやコーヒーセレモニーにならって3杯に分けて、飲み比べてみるのも面白いんじゃないかな?と思います。
塩コーヒーとエチオピアコーヒー、抑制効果。興味のある方はぜひ試してみてください。
それではまた!