【図解】コーヒードリッパーの違い。穴の数は関係ない【超初心者】
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カリタのドリッパーからハリオV60に切り替えて約1週間が経ちました。V60をカリタと同じ調子ででドリップしていると、出来上がりの速さにびっくりします。
特に急いでいるわけではないので時短にこだわってはいないのですが、逆にカリタに戻したら、少しイライラしてしまうかもしれません。
実は私…初心者の変な勘違いで、「3つ穴の方が1つ穴よりコーヒーが早く出るから、スッキリした味わいになるんでしょ?」と思っていました。
同様に「ハリオは味の調節が可能。初心者にはメリタかカリタ」というのも、なんとなく通説として認識しているだけで、よくわかってはいなかったのです。
実際にハリオのドリッパーを使ってはじめて色々腑に落ちたので、せっかくなので理解できたことを記録していきます。
超・初心者向けかつ、理系の話が苦手でもわかるように噛み砕いておりますので、ひょっとすると「そんなところから!?」と思う方が大半かもしれませんが、誰かのためになれば幸いです。
目次
前提として…コーヒーの味わいの性質
まずコーヒーの味わいについての前提知識です。
・酸味は抽出のはじめに多く抽出される
・時間が経つにつれ、苦味が多く抽出される
(・長すぎると最後に雑味が抽出される)
簡単にいうと酸味→苦味→雑味の順ですね。
コーヒーのドリップを行うとき、あえて乱暴に言ってしまうのですが、抽出に長く時間がかかればかかるほど、より苦味(・雑味)が出やすい…ということになります。
抽出に長く時間がかかる=ドリッパー内にお湯が留まる時間が長い=コーヒーが粉に浸かる時間が長い=多くの成分が抽出される、ということが起こっています。
代表的なコーヒードリッパーの違いを超初心者向けに図解!
代表的なコーヒードリッパー「メリタ」「カリタ」「ハリオ」を図解しました。「コーノ」も有名ですが、使ったことがなく今回は省略させていただきました。
穴の大きさの違い
ハリオは穴がデカイんです。カリタ・メリタと比べると7倍くらいあります。なので、この3つで比べると、普通に注いだらハリオが最も早く抽出されます。
ただ、早く注げるハリオはゆっくり注ぐこともできます。
大きな穴(ハリオ)にはたくさんのお湯を流すことができますが、そもそも注ぐお湯が少なければ、当然その分のお湯しか出ていきません。
少しずつ・少なく注いで抽出することもできれば、多く・早く注いで抽出することもできる。幅がコントロールできます。
一方小さい穴(メリタ・カリタ)にたくさんのお湯を注いでも、出ていくお湯の量には限界があり、たくさんは出すことができません。
少しずつ・少なく注いでも、多く・早く注いでも抽出量は同じ。コントロールできません。裏を返せば、「安定している」と言うことができます。
大は小を兼ねる、早いはゆっくりを兼ねるけれど、その逆はないということです。
形状の違い。台形?円錐?
台形型、特にメリタ式はお湯ががドリッパー内に一旦とどまるようにできています。お湯がコーヒー粉にじっくり触れているうちに味を抽出する「浸漬式」抽出方法といえます。
同じ台形型でも、3つ穴のメリタはカリタよりお湯がとどまりにくく、比較的コントロールの余地をもっています。
円錐型のハリオはお湯が一直線に抜けていき、抵抗がありません。「透過式」抽出方法といえます。
穴の数、1つ穴と3つ穴の違い
私の使っているカリタ式は「3つ穴だから抽出が早い」と長年イメージしていたのですが、あくまで穴の大きさが同じなら1つより3つの方が早いという話であり、大きな穴のハリオよりは遅くなります。
誤解の原因として「3つ穴」「カリタ3つ穴式ドリッパー」という名称が頭にしみつきすぎている気がしました。
「3つ穴」の売りは、あくまでも「メリタ1つ穴と比べたら」抽出を早く・コントロールできるというアドバンテージであり、後発のハリオ等と穴の数だけをどうこう言うのは全くナンセンスだとわかりました。
「3つ穴」「1つ穴」に強くフォーカスを当てるのは、基本的にメリタを意識したカリタ視点なのだと思います。
徹底的に「安定抽出」にこだわるメリタの哲学
以上、コーヒーフィルターの穴や形の違いについて書いてきました。
ここからは少し余談になりますが、今回色々と調べる中で、メリタも過去に円錐型フィルターや3つ穴・4つ穴のフィルターを販売していたことを知りました。というより、それぞれをハリオやカリタよりも早く開発しており、それでもあえて現在の「台形」「1つ穴」の形に落ち着いたのです。
味のコントロール性を「ブレができてしまう」こととして嫌い、「誰でも、いつでも、簡単に、安定した味」が作れる方向に振り切ったメリタの哲学、かっこいいです。
ドリッパーには哲学がある…そう思いながら楽しんでいきたいと思います。それでは!